2013年02月10日
_ [wine] Vineyard29 1992
このワインは結構昔にアメリカから買ったワインで(1996年入庫)、これで確か3本目かそこらですが、今回は前回飲んだ時とずいぶん印象違います。
前回飲んだ時(2011年10月29日の日記、ラベル画像もそちらを参照)、既に飲み頃を過ぎた様な単調でちょっと弱い感じだったので、それまでのVineyard29の印象と比べて違和感あったのですが、まぁ時が経てそんな風になったのかなぁ、と思っていたのですが、今日のボトルはその時とはずいぶん違いますね。
開栓後のテイスティングでは、良い香りが立っていたのと、最初のテイストでは「え、何かポルトみたい」と思ってしまうくらいでした。時は経て熟成した感は有るのだけど、凝縮した甘みがあってさらにその裏に酸がある感じ。アルコールが立っているようなポルトっぽい所はすぐ無くなりましたが、全体の印象はそのままで、爛熟した果実の甘みとそれが少し腐敗したパイナップルのような酸とがなかなか魅力的です。同じカベルネなんですが、こういうワインはカリフォルニアにしか有りませんね、それもごく一部のワインが時をおいた物だけみたいです。
以前から何度も飲んできた91から94辺りまでのVineyaer29の、魅力的な熟成形としてうれしいボトルでした。
2013年02月11日
_ [wine] 二室めのセラー、ワイン保管と温度管理
長らく使っていない元乾燥室の古い組立式の小部屋がありまして、ずっとそのままにしてあったのですが、もうそれも15年以上にもなります。それで昨年暮れに、そこに冷却装置を設置して温度管理が出来る部屋にしまして、そこを二室めのワインセラーにも流用させてもらう事にしました。
1995年にアメリカから輸入して組み立てた公称2千本のセラーは、とっくの昔に満杯。通路や上方に工夫を凝らし詰め込むのも、さすがにもう限界をむかえ、数年前に「お米の保管為に」と称して、玄米保冷庫の一番大きいのを買って大半をワインセラーにしていました。しかしそこにも、暫く前からもう入りきらず、預かってもらっているワインもずいぶんあって、どうしようかと思っていました。
またその玄米保冷庫のセラーもそろそろ4、5年目を迎え、もし盛夏に故障した場合は、警報もバックアップも無いので、かなり悲惨な事になるのは容易に想像できます(機械はいつかは壊れる物です)。昨年夏、1室めのセラーのクーリングユニットが不調になって焦った経験もあり、何とかしないといけないと思い、そちらを整備して流用させてもらうことにしました。(仕事用にも使う予定です)
今回冷却装置は空調屋さんに入れてもらいましたが、せいぜい14、5度になればよいので、それほど高価でもありません。導入時、湿度の事も相談しましたが、「そういう機械はなく、結構湿度はあるし、それ以上に湿度を上げるには別に加湿機を用意しなければいけない」と言われました。今思えば、USからワイン用のクーリングユニットを買って据え付けた方が良かったかも知れませんね(信頼性はイマイチでしょうが)。それからその冷却装置が故障したときの為に、臨時のバックアップとして一番安い家庭用のクーラー「霧ヶ峰」もつけてもらいました、これが一番安価な方法だそうです。
問題はワインの保管の方法ですが、一台めのセラーに付いていた様なワインラックは、誂えるとなるととても高価ですし、それよりもあくまでも「流用」なので駄目です。良く拝見するレストランなどのセラーでは、小さめに仕切った、頑丈な木の棚が有るだけでですね。こういう所ではそんなのも作れないので、もしセラー用の小部屋を用意できたとして、そこで普通出来るのはスチールのワイヤーラックに木箱や段ボールを載せて、と言う事になるのでしょうか。それでも良かったのですが、管理がきれいにできないのが不満だったので、少し前から使用している、サイドが扉になっていて開くコンテナを使う事にしました。
その昔は、ワインの木箱を沢山積み上げていましたが、当たり前ですが下のを取るのがとても大変です。それで、数年前に見つけたのがアスクルで売っていた「三甲オリコン 50シリーズ片長辺扉付き」です。
このコンテナ、奥行きがワインの長さにぴったりなんです。先の玄米保冷庫の中では、このコンテナを5個重ね底に専用キャスターをつけた物を、2列用意してワインを保管していました。1箱に詰め込めば、ワインが18本ほど入ります(それほど入れると、サイドの扉から取り出しにくいですが)ので、1列で6、7ケース分になりますね。問題は、ワインのような重い物を入れる事を想定していないでしょうから、その強度ですが、さすがに日本の一流メーカー製です、数年使いましたが、さすがに底がかなりたわんで来ますが、今の所、時に問題は出ていません。
今回、画像下方のような五段キャスター付セットを更に4つ購入し、玄米保冷庫から移した2列と共に、6列のワイン保管箱としてあります。キャスターが付いているので、移動も極めて楽です。本数も結構入るし、それに何よりサイドの扉からワインが取れるので便利、なかなか良い保管方法では無いかと思って居ます。
さて肝心の温度管理ですが、もし故障した時にバックアップ用に設置してる家庭用クーラーが自動で入るようにしてくれ、と要請したところ、何と「出来ない」と言われました!、、、家庭用クーラーはリモコンで電源が入るからです。仕方ないので、警報ベルを付けてもらいましたが、私が居ないときに壊れたらどうしようもないですね、困ったものです。取りあえず、夏期はバックアップ用クーラーも通電しっぱなしにしなければならないようです。普通は設定よりも温度が低いので、動作はしないので大丈夫でしょう。他に、学習リモコンを使い、コントロールする方法もありますし、、。
この機会に、温度管理のツールを少し調べてみました。昔95年にセラーをしつらえた頃は、温度が設定より上がるとSWが入る、様な物しかなかったのですが、今は安価な中国製USB温度センサーがあってパソコンで管理できるようですね。また試していませんが、千円以下で安いので取りあえず買っておきました。ラズベリーパイでこれを使ってみようと、ラズベリーパイも、現在到着待ちです。
それと、USB温度センサーに比べると高いですが、「おんどとりTR-71W」と言う、ネットワーク温度ロガーを見つけました。こちらも購入してみましたが、さすがに専用品なのでドライバ探したりしなくても良くて簡単で、なかなか使えそうです。ネット経由で温度が監視できるのは当然ですが、設定温度より上がると、警報のMailを送る事が出来ます(当然そのくらい出来る筈、と思って買いましたが)。ただ残念なのは、温度ログを定期的にMailで送る事が出来ない事です。そのくらい出来ると良いのですが。
でも、これらの装置を使う前に、セラーの周りまでネットワークの配線をしなければいけないですね。
2013年02月12日
_ [music] 地方音楽批評:「佐藤久成、ヴァイオリン・リサイタル」(2月12日、徳島市)
恥ずかしながら私、佐藤久成と言う人がどんなヴァイオリニストか全く知らないでこのコンサートに行った訳なのですが、一曲目から本当に吃驚しました。コンサート終わって、「スゲーなぁ!、今時こう言う人(ヴァイオリニスト)居るんだぁ!!」と、思わず独り言でつぶやいたのですが、それがごく素直な感想です。
当日の演奏会のプログラムに付随して、5月の東京文化での演奏会のパンフレットも入っていまして、その裏面の宇野功芳さんの文の中に「予想をはるかにかに超えた、濃厚、甘美、繊細、劇的な表現に圧倒され・・云々」と有りました。最初「なんやこれ?」とも思って読んでいましたが、演奏会が終わった後では、言いたい気持ちは良く分かります。
当日のプログラムは以下の通りです。田舎の聴衆向けにアンコールピース集にしたのかな、とも最初思ったのですが、現在こう言う曲が一番得意な様で、東京文化での演奏会も同じような感じのプログラムになっていますね。
ネドバル:ヴァイオリン・ソナタ ロ短調
フランク:ヴァイオリン・ソナタイ長調
ラフマニノフ:ジプシー・ダンス
ボーム:カヴァティーナ
バッツィーニ:妖精の踊り
マスネ:タイスの瞑想曲
ヴィエニャフスキー:華麗なるポロネーズ
ベディンガー:オード・エロティーク
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
演奏会最初の曲はネドバルと言う人の知らない曲、それでもその演奏のスタイルにはかなり驚きました。かなりアクションが激しい、というか、知っている中では一番動きが激しいヴァイオリニストで、演奏も熱っぽくて音楽も感動的に良く伝わります。
さて、次のよく知られたフランクをどう演奏するのか、楽しみにしていました。そのアクションに引きずられない様に目をつぶって聴いてみたのですが、まったくもう、走り、立ち止まり、ため息をつき、もだえ、と情感を押さえられない様でも有るのです。アタックの音は大概が潰れ、勢いと緊張感をもって走り込みのだけど、時にふわっと脱力して解放したりする、それでいて音楽は美しく感動的なのです。普通はこれだけやりゃぁ、曲想からしてフォルムが潰れてしまいそうな物なのですが、、
最近のたいがいの演奏者の様な、楽譜通りの端正さとは対局にありまして、あまりに個性的で感情濃厚です。いわば、濃く煮詰めたシロップの様に粘度があって、ドロッとしています。でもそれだけど、それには透明で輝きがあり、美しいとも思えます。演奏者の純粋さが伝わる様でもある、と言えば、言い過ぎなのでしょうか。
ヴァイオリンの音は演奏会しょっぱなから、大変な美音です。テンペラメント激しく演奏しても、別段「いびつ」であるとか思えないのは、基本的に隅々まで音が美しいという影響があるかと思います。
最後のツィゴイネルワイゼン辺りにきますと、流石に崩しすぎでは、と思いましたが、実際の生の演奏の前では「それもあり、もう充分やっちゃって下さい」って感じでした。
田中良茂さんの伴奏のピアノも、演奏中からとても上手いな、と思いました。この様な演奏の伴奏は大変でしょうが、実に良かったです。
最初演奏会が始まって、拍手の中出てきた佐藤さんは、一見まぁ結構軽そうな兄ちゃん風、でありました。少し前述しましたが、演奏が始まると演奏に合わせての動きや表情の変化が大きく、腰をひねる、かがむこむ、腰を落とす、目をつぶって表情を硬くする、と思えば、背をそさせる、顎をはずす、目をむいて正面上方を見やる、とか、とにかくこんな人絶対居ない、と言うレヴェルです。
最近の音楽の演奏家って、どの人も「芸術家」オーラを万遍なく振りまいていまして、背も高く、取りすましていて、大まかに言うと皆さんとても格好いいです。出てきた佐藤さんには、最初からそんな雰囲気は無し、顔は悪くはないのですが、長くは無いはずの黒服のズボンの裾を弛ませながら、変な表情一杯での動きながらの演奏は、一見エンターテイナーの様にも見えました。でも、喋ったりするのはあまり得意では無いようですね。言葉ではなくて、また他人を気を惹く為ではなく、ヴァイオリンで自分を純粋に表現するエンターテイナーなんでしょう。演奏スタイルから、自己主張の強い人かと思いましたが、実際は全然逆で、凄く気安い感じのまぁ良い人で有る事が、ほんの少しのスピーチでも丸わかりでした。
とにかく希有な存在。宇野功芳さんは解説の最後に「又しても熱烈なファンを増やすに違いない。」として締めくくっていますが、その通りでしょう。熱烈かどうかは別にして、私も確実にファンになりました。
